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建設業の入札の難しさ

公開日: : 最終更新日:2013/06/20 報告・感想など

今日、1件建設工事入札の開札がありましたが、

残念ながら落札することはできませんでした。入札はとてもむずかしい・・・。

 

弊社は埼玉県の建設工事入札業者で電気工事業の登録をしております。

埼玉県内の市町村はほとんどが埼玉県の電子入札システムから入札をする仕組みとなっており、

窓口が一本化されております。参加している市町村であればすべて同じシステムにて入札を行うことができます。

 

建設業の入札の多くは指名競争入札で、登録してある市町村から

こういう案件が今度あるのだけど、入札してくれませんかという通知が来ます。

通知とともに、通達、現場説明書、工事図面、積算データを電子入札の開示サイトからダウンロードし、

見積りを行います。見積りに割り当てられる期間はおよそ1週間です。

予め決められた日程で電子入札を受け付けており、金額と、金額を記載した内訳の提出を行います。

事情により入札を辞退する場合には予め辞退届を提出します。

入札期限終了後のすぐに入札データは開票され、一番安い業者が落札となるというのが

電子入札の大まかな流れとなっています。

この一番安い業者というのが、いろいろな要因があり、一番難しいところです。

 

なぜ難しいかというと、一番工事金額が安い業者が落札できますが、安すぎてもダメという制限があるからです。

最低落札価格制度といい、一番安くても最低落札価格より低い場合は失格とするというものです。

(最低落札価格が設定されない案件もあります)

最低落札価格が設けられている理由は、デフレによるダンピング(値段たたき)防止のためといわれております。

安いというと、いくらでも安くできてします(極端な場合、1円で落札したということも過去にはあったらしい)

しかしこれでは適正な工事による品質確保ができない可能性があるため

予め定められた最低落札価格の金額よりも低い入札は失格とするとされています。

 

あわせて、入札には予定価格というものが設定されます。

予定価格というのは図面を設計した際に、工事におよそいくらくらいかかるという価格が役所によって決められたもので、

入札する際にはこの目標価格よりも下回らなければいけません。

つまり、予定価格~最低落札価格の間の価格で一番安い業者が落札するということになります。

なお、予定価格は入札情報開示時に発表されますが、最低落札価格は発表されません。

 

本来であれば、各々の会社がそれぞれ見積りを行い、思いを込めて入札をし、

適正な価格(安すぎず高すぎず)で落札できた。他社のほうが適正な価格で落札できなかった。

あるいは結果的に最低落札価格を下回ってしまった場合は失格になってしまったということが自然な入札だと思います。

 

しかし、実は目標価格から最低落札価格の大体の予想というものができます。

今は見積りを作成せず、予定価格から最低落札価格を予想し、

その価格よりもちょっとだけ高くなるように金額を設定し入札するということが現状では発生しています。

見積りをしたとしても、ざっくりな予算を計算する(足が出ないかどうかを確認する程度)です。

そのため最低落札価格付近での入札が集中し、

たまたま最低落札価格よりもちょっと高い金額で入札した業者が落札するということになります。

多くの業者が最低落札価格ぎりぎりの価格で入札するため、ちょっと予想を見誤った多くの失格者が発生します。

現在の入札は最低落札価格の予測合戦となっているのです。

工事の内容などは落札してから考えればいいと二の次になっています。

 

場合によってはやる気のある入札業者の仕事を取りたいが為に安く入札した結果ほとんどが失格し、

あまりやる気のない業者が入札した目標価格よりちょっと安い金額を入れた業者が

意図せず落札してしまうなどの入札結果にになったりということも発生します。

 

現状の入札制度は本来の意図からずれてしまっていると言わざるを得ないです。

そのため、入札で落札することはとても難しい状態となっています。

 

この制度、いろいろな問題があると思います。現状の制度に我々は従うしかありませんが、

建設業の入札制度をもっといい方向に変えることはできないのでしょうか。

 

 

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Comment

  1. 土井 建 より:

    おはようございます!
    現行の入札制度は確かにおっしゃる通りで矛盾だらけのシステムです。
    国交省や自民党議員などを主体にしてなんとか改革を!との声は挙がっていますが、残念ながら日本には厚く高い壁「財務省」が会計法という法律を楯にしガンとして首を振りません。強過ぎた大蔵省を分裂させて現在の財務省になった訳ですがまだまだ突出した権力を持っており国会議員も手が出せません。
    昨今は財務省の不祥事が相次いだので一時は財務省解体論も出ましたが出来ませんでした。プライマリーバランスや費用対効果などという詭弁を弄して自分達の体制維持に固執している財務省をどうにかしないと日本中の公共工事入札の適正化は望めないと思いますよ?

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